黄斑円孔入院記

黄斑円孔

黄斑円孔 という病気とその手術について(私見です)

入院記をこれから「だらだらと」上げていく前に、「黄斑円孔」という病気に対する手術のことを
ざっと書いていこうと思います。

私が黄斑円孔という診断をうけて、することになった手術は硝子体切除術、というものでした。説明されたことを素人なりのイメージで書きます。厳密には違うかもしれませんが、ご了承くださいね。
 これは、硝子体という眼球にある物体が加齢によって収縮することで黄斑部分の皮膚をひっぱってしまう。「ささくれ」が生じて、さらにひっぱることで「ささくれ」を引っ張って穴があく(円孔)。
 なのだから「だったら、硝子体、要らなくね?取っちゃおうぜ」というものです。
 でもそのままだと開いてしまった穴は塞がらない。そのために、硝子体のあったところにガスを注入して、そのガスの圧で はがれかかった「ささくれ」をもとの場所におさめたり、圧で穴をふさぎにかかるのです。
 だから、ガス圧が確実に黄斑部分にかかるようにしないといけないし そのためには黄斑部を常に天井に向けておく必要がある。黄斑部イコール眼球の奥です。つまり、後頭部を天井に向けておく。うつぶせです。

バラ色の未来が約束されたわけではない・・・

このように、手術自体は「これ以上ひどくならないようにする」ためのものです。「穴をふさぐ」ためには、術後のうつぶせのほうが大切。そしてそれでも穴は塞がるか、すぐに結果は出ないし、穴が塞がってても網膜の「光を感知する機能」が完全復活するかどうかは、別問題。なのです。

現に、私は術後2か月ぐらいたちますが、意外とまだ見えてない個所もあるし、なんとなくゆがみも残っています。先生の話だと、視力の回復には半年ぐらいかかることも普通 ということなので、半年後を楽しみに待っていますが、どうなるかわかりません。

それでも手術をした理由、それはひとえに「これ以上悪化させたくない」からに尽きます。そして今のところは「これ以上悪化」のリスクを減らせたという意味で、手術してよかった、と思います。

やっぱり入院は楽

オウハンエンコウ で検索すると、結構ポピュラーな病気のようで、治療・手術ができる眼科はたくさんひっかかります。中には「入院不要!すぐにおうちに帰れます」というのをうたっているところも。手術が決まって、ネットで検索したときにこれを見て、「なんで私は2週間も入院しなきゃいけないの」と不満でした。かかりつけの地元の眼科からベルトコンベアー式に大学病院を紹介されて、いわば、診療施設の選択の余地なく、手術そして入院。最初から「日帰りもしくは1泊2日で家に帰れるんなら、仕事に穴をあけることもないし、こっちがよかったよ」とも思いました。

でも、結果的に、入院で大正解でした。

うつぶせでは、何もできません。ふつうに置いてあるテレビも見れないし、そもそも前を向いて歩くことすら最小限にしてくださいと言われている生活。その中で、食料品を買い、料理し、ご飯を食べることすら非常に不自由です。さらに、手術後は眼に傷がついているので、抗生物質の服薬と、数種類の目薬が処方されます。これが1日3~4回さす必要がある。さらに、診察も毎日のようにあります。

これをこなすことが、日常生活と両立できたとは思えません。

ここはすっぱりあきらめて、仙人のように入院療養にどっぷり漬かること。これがかえって、再手術のリスクも減らすことにつながるのではないかな、と思います。